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オフィシャルインタビュー第1弾
斉藤壮馬(緒方シュウ)×会沢紗弥(キサラ)×Lynn(夕桐アヤノ)

「古き良きラブコメ」の新しさ

ーーオリジナル作品ということもあり、まだまだ謎の多い作品です。みなさんは今作のどんなところが、多くの方にアピールできる魅力だと感じていますか?

斉藤壮馬(以下、斉藤) いろいろな切り口から魅力の語れる作品ですが、個人的には「古くて新しい」点が一押しかなと思っています。もともと僕はアニメやマンガがすごく好きなんですけど、そんな僕が小さい頃に慣れ親しんでいたような、古き良きラブコメディの面白さを感じるんです。実は1話の収録時に、「昔の某週刊少年誌に載っていた作品のような感じにしたいです」と、スタッフさんからそのものずばりのことを言われもしまして(笑)。ピンとくる方は、見たらいろいろピンとくるものがあるんじゃないかなと思います。そうした要素がおそらく、今、僕よりもっと若い世代の方には、新しいものとして映るのではないかな? と。幅広い世代の人に楽しんでもらえる、味わい深い作品だと思いますね。

会沢紗弥(以下、会沢) 私は描かれている人間関係がおもしろいなと感じました。シュウとキサラとアヤノの三角関係もそうですけれども、後から出てくるシャロンさんを始め、他のたくさんのキャラクターたちも「えっ!?」と驚くようなことが描かれていく。展開が先に進むにつれて、「このキャラってこんなことを考えていたの!?」みたいな新しく見えてくるところがあって、衝撃を受けることがものすごく多いんです。

Lynn 一見普通のラブコメかと思いきや、悪魔が出てきたり、ちょっと近未来的な世界も描かれたり、さらにバトルものとしての魅力もあったりする作品です。そして、出てくるキャラクターたちはそれぞれみんなタイプの違うダメな人たちなんですけど、だけど好きになれるというか、愛せる要素をしっかり持っている。先の読めないストーリーとともに、キャラの魅力でも先が気になる作品かと思いますね。

ーーご自分が演じる役のチャームポイントはどこでしょう?

斉藤 シュウくんはですね……一言でいうなら「愛され気質」ですかね。ちょっとだけドジっ子なところがあるんですけど、そこをまわりの人が放っておけないというか。「しょうがないなぁ〜」と言いながら、何かと世話を焼きたくなってしまう。そんな人に好かれるところが、彼のチャームポイントかなと感じています。

ーー素敵なお答えですけど……あの……会沢さんとLynnさんのおふたりともが、なんだかすさまじい表情で斉藤さんを見ておられますが……。

Lynn いやぁ、随分マイルドに、かわいらしく表現しているなと思って。

会沢 あれは「ドジっ子」で済まされるんですか?

Lynn モノはいいようだよね〜。

斉藤 えーっ。ちょっとだけ、ちょっとだけしかマイルドにしてないよ。シュウのドジは「てへぺろ♡」で収まるくらいの按配じゃないですか。

会沢・Lynn ……。

ーーえー、気を取り直して、キサラはどうですか?

会沢 とにかく愛を持った、かわいらしい女の子です!

斉藤・Lynn ……う、うーん。

会沢 恋にまっすぐ突き進んでいて、ちょっとまわりが見えなくなっちゃうときもありますけど、でも家事全般できますし、この作品に登場する女の子の中で、一番シュウのパートナーにふさわしいキャラクターなのではないでしょうか!

斉藤 ……たしかにそのとおりですよね。おっしゃるとおりです。

Lynn そうですね……。えーっと、私が演じるアヤノの魅力はですね、彼女にするのはイヤ……らしいです。とある人が言うには。

斉藤 そ、そんなことをいった人がいるんですかねー。

Lynn そして、お友達としては見ていてとても楽しいキャラクターだとも、斉……とある人は言っていました。でも、私にいわせればアヤノだってすごく、シュウに対する真っ直ぐな思いがあって、かわいい子ですよ。ちゃんとね、お世話だって……そんなに家事は得意じゃないですけど、してくれるので。大人なサポートはね、するんでね。

斉藤 さっきから視線が……。

Lynn お姉さんキャラらしい優しさはないですけど、仕事はできますので。ええ。そういうところでサポートすることはできます。でも……チャームポイントか。そうだよね。今言ったようなことって、ヒロインとしての魅力になる? 視聴者のみなさんに訴えるような、アヤノのチャームポイントって、どこなんだろう? なんだか、話しているうちに、これで魅力が伝わるのかわかんなくなってきちゃった……。

斉藤 な、なんだろう……お姉さんなんだけど、気を遣わせない感じというか、気さくな感じ?

Lynn 距離間が近い感じ? それって魅力的?

斉藤 ……ヤバい。なんとかしてこの取材中にみんなでみつけよう、アヤノさんのチャームポイント!

ーーダメな相手でも、最後まで見捨てなさそうな感じはしませんか?

会沢 たしかに! チャームポイントですよ!

斉藤 そうですね。モノとか、捨てられなさそうだもんね。

Lynn うんうん。……って、それ、いいとこなの!?

会沢 えーっと、えーっと……絶対に自分の味方でいてくれるなっていう安心感がある!

斉藤 それだ!

Lynn それ、シュウに対してだけなんですよね……。

斉藤 あ、でも、逆に考えるとアヤノさんは、シュウ以外にはもっとキリッとしてるかもしれないよね。他の人相手には、割とお姉さん的な距離感で接しているのかも。

Lynn たしかに。シュウと、シュウ以外の人としゃべってるときのギャップがチャームポイントです。そこに注目してください!

3人の会話は永久機関

ーーキサラもアヤノもとにかくシュウが好きなのがポイントのようで。そこで会沢さんとLynnさんにあらためて聞いてみたいんですけど、シュウはふたりの美少女に深く愛されるくらい、どんなところがそんなに魅力的なんでしょう?

会沢 斉藤さんも言ってましたけど、やっぱりほっとけないところですかね。ほっといたらもう、どうなっちゃうかわかんない。なぜか心配しちゃって、お世話しちゃって、一度そうすると、どんどんどんどんやってあげたいことが増えていくようなキャラクター。そして気がつけば、こっちがお世話することに依存するように仕向けて……生きるのがすごい上手いんです(笑)。女の子だけじゃなく、まわりの人全部にそう思わせる。人たらしなんですよ。そんなところが、魅力的に見えてしまうんです。

Lynn 人たらし……そう、たしかに世渡り上手なんだよね。下手、下手に出て、イラッとさせない感じに可愛くお願いしてくる。それで自分のダメなところをうまくカバーできてる。

ーーもし身近にいたらどうですか?

Lynn 私はこういう人、嫌いではないので、なんだかんだ世話してしまうような気はしますけど。とかいいつつ、実際にいたらわかりませんけど(笑)。

会沢 私は人生について質問したくなるかもしれないです。これまでどうやって生きてきたんですか? って。不思議です。

斉藤 まあでも、アニメ的なデフォルメはされているものの、シュウみたいな方向性の人って、現実にもいるような気がします。自堕落な部分は誇張されたものだけど、根本的に「何とかなるだろう」と思ってて、実際になんとかなっちゃう星の下に生まれてくる人というか。

ーーシュウの許せないところはあります?

斉藤 おかしい質問だ……普通、こういうインタビューって、キャラを好きになってもらうためにやりますよね!?(笑)

会沢 許せないところなんて、全部ですよ(即答)。そもそものところ、キサラにも気がある感じだし、アヤノさんにもちょっと未練があるみたいな、フラフラしてる感じはやっぱりよくないなって思います。

Lynn 女性関係はちょっとね。許せないよね。

斉藤 これについては擁護のしようがないな……。

Lynn だらしがなさすぎます。

斉藤 どんな主人公なのよ。オンエア前の事前プロモーションでここまで言われるって相当でしょう……。

ーーお三方のお話されている雰囲気が温かいですね。さぞかしアフレコ現場もいい空気感だったのではないでしょうか。

斉藤 今はコロナの状況下なので、全員揃っての収録はできなかったんですけど、すごくいい雰囲気だったと思います。この3人は揃って収録をすることが多くて、割とシュウの言動について、「これ、どう? ありなの? なしなの?」みたいなことを、僕からふたりに聞いてみたりとかもして、穏やかな感じで進んでいたような。

会沢 穏やかに、でもアフレコでのやりとりは殺伐と(笑)。

Lynn キサラもアヤノもお互いのことを「邪魔な女」と思いあって(笑)。

斉藤 本番はきっちり集中してやって、リラックスするときはリラックスして……みたいな感じでしたかね(笑)。

ーースタッフさんとのやりとりも含めて、アフレコ時の印象に残っている思い出はありますか??

斉藤 最初の頃、割とキャラクターについてのディレクションをかなり丁寧にしていただいて、その中でいわれた「シュウは上から目線のクズではなくて、下手に出るヒモみたいなイメージでやってください」という言葉が、僕としてはやはりものすごく印象的でした。そのディレクションで、芝居のパズルの組み方が全部変わったんです。シュウがどういう人なのかが、すんなりつかめたような気がしました。

会沢 私は休憩中にみんなで、「結局、世の男性は、キサラとアヤノのどっちを選ぶんだろう?」みたいな話をしたのを覚えてます。

Lynn はいはい、したね!

会沢 「なんだかんだいいつつ、キサラを選ぶんじゃないか」みたいなことを斉藤さんがおっしゃってて。音響監督の高寺(たけし)さんも同じ意見で。

斉藤 自分に甘えてほしいタイプの人か、自分が甘えたいタイプかによって、ふたりのキャラクターのどっちに惹かれるかが変わるんじゃないかな? ……ということを言いたかったけど、休憩中で時間もなかったから、いろいろ省略したら「キサラを選ぶんじゃないか」という表現になったっていう……。

会沢 そうなんですね。

斉藤 どっちかというと自分は甘えたいタイプなので、キサラかなと。やっぱアヤノさんだと、甘えにいっても「まあ、いいわよ……で、私の話なんだけど」って返されて、いつのまにかアヤノさんの話を聞く流れになっちゃいそう。

Lynn ……そういう風に見てるんだ……。

会沢 そういう基準でキサラなんだ……。

斉藤 空気を殺伐とさせないで! これ、公式サイトに放送前に載るインタビューなんだってば!

ーーLynnさんはアフレコで印象に残ったやり取りはありますか?

Lynn 私、アヤノは何でこんなにシュウのことを好きなんだろう? って、ずっと考えてたんです。優しくしたり、尽くしちゃうのは、好きだからじゃないですか。それは理解できるんですけど、そもそもなんで好きなんだろう? って。それが、5話のとあるセリフを壮馬くんが演じたとき、わかった気がしたんです。全然、決めゼリフではないところなんですけど、今の言い方めっちゃ好き! って思った瞬間があって。

斉藤 えっ、どれどれ? 教えてください!

Lynn 「笑っちゃうでしょ、根拠めっちゃ弱くて」ってセリフ。その何てことのないセリフの言い方が、私のキュンポイントに刺さりまして。一個でも好きなところが見つかったら、他にどんなダメなところがあっても、「好き」の気持ちがまっすぐになっちゃうことってあると思うので、そこで私はアヤノがシュウを好きなことが腑に落ちたんです。

斉藤 ああ! そのセリフ、めっちゃ覚えてる! それまでと比べて、ナチュラルな芝居を意識して演じてみたところだ。あのシーンは僕もすごく楽しかったんだけど、そうか、そう思ってくれてたんだね。

Lynn 分散収録な時代に一緒に録れて、その芝居を生で聞けたからこそ、シュウの好きなポイントが見つかって、その後の芝居がすごくやりやすくなりました。

会沢 ……キサラにとっては最悪なシーンでしたよ。そんないい雰囲気のふたりの芝居を、私は同じブースで聞いてたんですよ……!

斉藤 だから、また空気を殺伐とさせないで!!(笑)いやー、おもしろいなー。3人が揃うと、こんなやりとりで一生回せる。永久機関だ。

ーーオンエアがますます楽しみになりました。

斉藤 正直、僕も一個人として、完成した映像を見るのを心待ちにしています。物語の結末を、視聴者のみなさんと一緒に、オンエアで早く見届けたいですね。

会沢 絶対に楽しんでもらえると自信を持って言えます。ぜひ最後まで見届けていただきたいです。

Lynn 本篇はもちろん、丸戸先生の遊び心満載の予告も楽しみしていただけたらうれしいですね。

斉藤 予告! いやー、あれはフィクションをフィクションだと理解して、寛大な心で受け止めてほしいですね。

Lynn どこまでが真実か。果たしてしゃべっているのはキャラなのか、本人なのか。

斉藤 信じるか、信じないかは、アナタ次第……って、いや、あの予告は全部ウソ、フィクションですからね!!